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予防歯科とは?歯科健診とは違うの?その内容やメリットについて
予防歯科とは
虫歯や歯周病を未然に防ぐ
予防歯科とは、虫歯や歯周病を未然に防ぐことです。予防歯科では検査や歯のクリーニング、歯磨き指導などを行います。予防歯科を行うことで虫歯や歯周病の早期発見・早期治療につながり、重症化するリスクを減らせます。
予防歯科の目的
予防歯科の目的は、「1本でも多くの歯をできるだけ長く残す」です。ご自身の歯を多く残すことで年齢を重ねてもしっかりと噛んで食事ができ、認知症予防にも役立ちます。
欧米では予防歯科が一般的
日本では歯が痛くなったら歯医者に行く、という方がほとんどです。欧米諸国は日本と異なり、痛みがでる前に歯科医院に通う予防歯科が浸透しています。日本では80歳以上で歯が20本以上残っている方が全体の約40%なのに対し、歯科先進国のスウェーデンでは80歳以上の方のほとんどが20本以上ご自身の歯を残している、というデータがあります。
予防歯科って何するの?
予防歯科では、以下の検査や処置を行います。
- お口の中の検査(虫歯や歯周病のチェック)
- 歯のクリーニング(PMTC)およびスケーリング(歯石取り)
- 虫歯や歯周病が見つかった場合は治療
- フッ素塗布やシーラントなどの虫歯予防処置
- 歯磨き指導および食生活指導
歯のクリーニングでは、ご自身では取り除けない歯と歯のあいだの汚れ、奥歯の裏側の汚れなどを専用の器具を使って落とします。歯石がついている場合はスケーリングも行います。
セルフケア+プロフェッショナルケアで予防効果を高める
虫歯・歯周病の予防においては、ご自身で行う毎日の歯磨きが重要です。毎日のセルフケアと歯科医院で受けるプロフェッショナルケア、両方を行うことで予防効果が高まります。
ご自身でできるセルフケア
予防歯科は毎日のセルフケアが基本です。歯科医院で歯を綺麗にしても、毎日の歯磨きが不十分だとすぐに汚れが溜まってしまいます。セルフケアを行う際には、以下の点を守ることで予防効果が高くなります。
- 正しい方法で歯を磨く(力を入れすぎない、歯の裏側や歯周ポケットをしっかり磨く)
- デンタルフロスや歯間ブラシを使う(歯と歯のあいだの汚れを落とす)
- 生活習慣の改善(砂糖をなるべく摂らない、だらだら食べをやめる、歯ぎしりや食いしばりのクセを改善する、鼻呼吸にしてお口の中が乾かないようにする、など)
予防歯科のメリット
予防歯科には以下のようなさまざまなメリットがあります。
●虫歯・歯周病を未然に防ぐ
虫歯や歯周病の発症リスクを低減できます。
●痛み(発症時・治療時の痛み)を減らせる
早期発見・早期治療につながり、重症時に発生する痛みを回避できます。重症化したときと比べ、治療時の痛みも少なくなります。
●健康寿命を延ばせる
ご自身の歯でしっかり食べ物を噛むことができ、健康寿命の延伸につながります。
●認知症になりにくい
ご自身の歯で噛むことで脳に伝わる刺激が増え、認知機能が衰えるリスクが低減されます。
●金銭的な負担を減らせる
虫歯や歯周病を未然に防ぐことで歯科治療にかかる費用が減ります。病気が見つかった場合も早期治療につながりやすく、重症化したときと比べて治療費を少なくできます。
予防歯科と歯科健診の違い
歯科健診は予防歯科ではありません
会社や学校で定期的に行われる歯科検査を歯科健診と呼びます。歯科健診を受けている方の中には「会社(学校)で健診を受けているから、わざわざ歯医者で診てもらわなくてもイイ」という方もいらっしゃいます。
しかし、歯科健診は予防歯科とは異なります。歯科健診は歯の異常(主に調べるのは虫歯の有無)を調べるための簡易的な検査です。健診では虫歯の有無や歯茎に大きな異常があるかどうかは調べますが、予防歯科のような歯のクリーニングやスケーリングなどの予防処置は行いません。
虫歯や歯周病を未然に防ぐには、会社や学校の歯科健診だけでは不十分です。セルフケアに加え、歯科医院で定期的に検診および予防処置を受けることが予防歯科の基本になります。
まとめ
「今、痛くないから」という理由で受診を先延ばしにしてしまうと、気づかないうちに虫歯や歯周病の症状が悪化するおそれがあります。虫歯や歯周病を未然に防ぐには、まずは毎日のセルフケアをしっかり行うこと、加えて、歯科医院で予防処置を受けることが大切です。かけがえのない歯を守るため、歯科医院で定期的に検診を受けるようにしましょう。
当院は「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」と「歯科外来環境加算算定歯科医院」の認定歯科医院ですので、お困りの事があればお気軽にご相談ください。